NFTと金融の話
Updated Date: 2024/01/01 02:55
最近Twitterを見ているととある日本のインフルエンサーたちがNFT買ってたり、VRで絵を書く人や小学生がNFTで大金稼いでいたりするニュースを見かける。おっさんだけどこの辺の情報はちょいちょい仕入れているので、サクッと今思ってることを書いてみる。知ってる人にとっては嘘や不足した情報もあるかもしれないが、個人の見解として受け入れてもらえると幸いである。
NFTの説明は割愛するけど、要するに現在はデジタル空間におけるデータの資産を証明するものであり、アートやらデジタルデータやらによく使われるものになってる。価値は原点をたどることができるので、そもそもの作者に対するマージンを取引がどんなに発生したとしても必ず生み出すことができるようになっている。現実世界で言えば、漫画を古本屋やメルカリで売り飛ばしたとしても、漫画の作者にはその際の売却費用にプラスして著作権料が支払われる仕組みを作ることができるということだ。
んで、NFTアート界隈はやたらバブルっていて、海外では1度高騰した後にちょっと落ち着いて今の状態らしいが謎のドット絵に数百万以上の価値がつくという状態である。フェラーリよりNFTのドット絵みたいなミームがTwitter上で発生している。
大事なのはこれ。
NFT界隈ではとてつもなく「個人の価値」が尊重されていると言っていい。それはかなりの意味でアートなのである。現代アートを考えてもらうとわかるが、多くの人が作品を見てもその価値を正しく判断できるほうが少ないのではないだろうか。遊戯王やポケモンカードなどもそうだ。これらは特定の誰か(個人や団体)が決めた「価値」が社会的に認められた結果、とんでもない値段になるわけである。
そう考えれば、NFTアートも特別頭のおかしいバブルではないことは分かると思う。
インターネット界隈は従来個人が尊重され続けてきた世界である。日本では2chという匿名掲示板により、個人が匿名という隠れ蓑を利用したうえで自分をさらけ出す文化が当たり前のように根づいた。今では多くの一般人がSNSを通じて個人を表現する場としてインターネットを利用するようになった。この世界だけは、現実社会の多くを占めている資本主義から切り離された空間にあると僕は考えている。
さて、資本主義といえば最近おもしろい動きがアメリカで発生した。
それが ゲームストップ株事件である。
参考: https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81980
参考URLを見てもらうとわかるが、アメリカのゲームストップ社の株をヘッジファンドが売って株価が下降しつつあったところを、ロビ ンフッドというアメリカのスマホ向けの証券サービスを使った多くの一般ピープルが買い注文しまくったことで、逆に株取引中止にまで発展したという事件である。これにより空売りしていたヘッジファンドは大きな損失が発生し、逆に個人投資家は儲けるといういつもと逆の事象が起きてしまったのである。まさに資本主義が敗北した歴史的事件である。
こんな感じで、インターネットという個人が集結したパワーや価値観が、大きな市場を動かすということが当たり前のように発生する世の中になってきた。この流れが同じようにNFTにも来ていると考えれば、まあ自然なことだなと考えることもできるだろう。
ただ、僕が思うにNFT界隈にSupremeやLouis Vuittonが参入してきたらどうなるかな?って思ってしまう。これはそういえば、数十年前に存在したセカンドライフと同じ流れなのではないだろうか。今回はそれとは違う流れがあるとはいえ、結局そこに現実社会の資本主義が介入してきた時点で多分終焉が来ちゃうんだろうなと想像してしまう。願わくば、個人が個人として自由に生きていける環境が末永く続きますように。。。
最後に、このあたりの話をすんなりと受け入れられないなと思う人には、1987公開のウォール街、レディプレイヤーワン、サマーウォーズ、アバター、ウルフ・オブ・ウォールストリートあたりを観るといいかもしれない。