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ありのままの現実を書き殴る吐き溜め。底辺SEの備忘録。
Written by bon who just a foolish IT Engineer.

有給休暇の話

Created Date: 2015/03/28 01:14
Updated Date: 2024/01/01 02:55

日本では年次有給休暇(有休)の取得率が先進国の中でも著しく低く、 その裏側にはサービス残業だの長時間労働だのの働きすぎという、 働き過ぎる奴ほどえらい的な中途半端に誤った仕事の取り組み方が推進されている(らしい)。 さらにひどいことに、ブラック企業と呼ばれる主にサービス系の企業においては、 そもそも有給休暇(笑)ということも多々ある。

新入社員の就職満足度調査か何かの上位常連であるゴールドマンサックスは、 社員の平均残業時間が80時間という何ともブラック臭のする感じではあるが、 その分報酬はすごい。とはいえ数日後に解雇ということもあるのでリスクも高い。 まさにハイリスクハイリターンのギャンブル好きもとい働くことの正義をそこに求める人間においては、 とても良い環境であるため、ここはブラック企業ではないと言える。

こういう例外的な企業を除けば、 つまり有休が満足にとれる企業とは、それなりにホワイト企業なわけである。 そして、ブラック企業の有休の取れなさは、大抵業務や仕事内容に属人的な縛りがあるためである。

例えばファッション小売業界の場合、規模の小さいテナントしか持っていない(たとえば百貨店内の店舗)場合、 そこに配置される従業員は1~3人程度である。 そうなると、1人が休むと別の1人の作業負荷が上がるので、互いに休むことを遠慮する気持ちになるし、 そもそも1人のみのシフトの場合、「その日は休む」という選択自体が得られないことになる。 つまり、自分自身が必要とされている環境が必然的に存在しているわけである。 同じことは別の業界にも言えるので、 大抵の中小企業は各々の作業が属人的にならざるを得ない。 これがブラック企業の代名詞とすれば、いささか残念な話ではある。

というわけで属人性の排除は、ブラック企業にとっては結構重要な経営改革もといイメージアップ戦略である。 しかし、ただ単に排除するだけでは「誰でも出来るし、こんな仕事に価値はない」 とか言われるようになるかもしれない。 そうなると、仕事のやりがいを感じ得ないとかいう理由で 若者が辞めていくようなことに繋がることもあるだろう。 仕事には適度な専門性と属人性のバランスが重要なのだ。 誰かに気を遣ったり、思いやりや責任感を(無駄に)持ったりするのに、 仕事のやりがいだとか自分らしさを意識高く俯瞰しちゃうことで やる気を無くす現代的日本人ならではの問題である。

という感じで、有休1つに実は上述したような深い日本社会の構造が見え隠れしているわけである。 そんなことを思う有給消化期間だった。

※記事を書いた後に読んだけど、面白かったので紹介。
日本の雇用の敵は「経済合理性」ではなく「封建主義」ではないのか?

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