ジョハリの窓は組織単位でも適用できそうな話
Updated Date: 2024/01/01 02:55
久しぶりの更新は仕事の話。ジョハリの窓はよく個人の振り返りに使われるツールで、
自己開示できている範囲はどこか、他人が知らない自分とは、他人が捉えている自分とはを可視化するためのものだ。
このフレームワークを個人ではなく組織でも使えるんじゃねって思ったのが事の発端。ネタが無いのよね。
↑ジョハリの窓の簡単な図示
OKRと1on1
OKRってのが最近流行ってると思うが、あれも結局は人ではなく組織や経営など階層化された上で運用されることが前提となっている。OKRに限らずそもそもの人事評価ってのも大体は階層化され、相対評価や絶対評価などの指標を基準になんやかんや点数と給与とかが決まる。
ただ、このあたりの納得感って結局上司から言われるだけじゃダメだよねーみたいなところで、じゃあお互い良い感じにそこの認識合わせをしなければならないっていう風潮も昨今ではよく議論されていると思う。
そんな折によく話題になるようになったのが1on1であろう。Yahoo!の1on1が日本では程よく有名ではあると思うけど、2018か2019あたりからちらほらWebでも聞くようになった気がする。
採用と組織とジョハリの窓
最近ではエンジニアと言う立場とスタートアップという場を活かしてエンジニア採用を頑張ってる。
組織を強くするには、強くしたい領域や注力したい技術、戦略、事業などなど経営側の課題や組織のそれを総合的に評価して考える必要がある。なので採用担当としては会社や組織の今の状況や外側からみた認知あたりを考えて、じゃあどういう情報を出せば採用したい人が納得してくれるかなーとか、興味を持ってくれるかなーとかの戦略を寝る必要がある。
という状況をそっくりそのままジョハリの窓に当てはめると、こんな感じだ。
- 開放の窓 → うちの会社と世間が思ってる我社の共通イメージ
- 盲点の窓 → 世間が抱いている我社のイメージ
- 秘密の窓 → うちの会社しか知らないイメージ
- 未知の窓 → 誰も知らないうちの会社のイメージ
個人に適用される場合と同じく、まずは「1.開放の窓」の領域で自分たちと世間との認知を一致させていくことに注力することが最初の戦略だろう。
次に「2.盲点の窓」を明確にするために市場調査やアンケートあたりでもいいので「うちってどんな会社っすか?」ってのを集める。そこで明らかになった世間のイメージと弊社との相違を、再度開放の窓に持っていく作業をやっていく。
そして、それと並行して「3.秘密の窓」を社内のメンバーからフィードバックやワークショップを通して洗い出してもらい、2と3とのギャップをそのまま情報として開示するなり会社の文化や戦略を世間のイメージに寄せるなりしていく。
「4.未知の窓」については10年先あたりの未来の長期的な事業投資・戦略あたりからぼんやりと「こうなりたいな」みたいなものを投影するといいのかもしれない。
そんな感じで考えれば、ふつうにジョハリの窓も組織分析に使えるなーって思ったのであった。
とはいえ大事なのは組織というのはチームやメンバーの集合体であり、メンバーの感情や立場、数や編成などが変わる度に形を変える有機的なものである。なので必ず正しい答えが永遠に存在し続けるわけではない。
変化と施策を良い感じに改善サイクル回していくかは、結局上述したようなことを延々と考え続けるしかない。
そのためにはやっぱり「うちってこうだよね」とか「これはイケてない」とかいう社内メンバーの忌憚のない意見や世間の意見を「ちゃんと聞いてるよ、それを使って会社も良い感じにしていくからどんどん言ってね」的な雰囲気を作らなきゃいけない。
こまけぇこたあいいんだよ!って経営側が言っているようではいつかきっとそのあたりに壁とか隔たりとか沼や溝、異次元空間が生まれて見えざる距離で苦労するのかななんて思う。
いずれにせよ大切なことは、人も組織も素直で実直で正しいことを当たり前のように実行していくことを厭わないことだと最近は思う。
ときにはう悪いかないこともあるので、そういうときの愚痴さえもフィードバックに変えてくれる環境があるとより良いなーと思うので、個人的にはそういうおっさんで有り続けたいなと思っている。